音のない時計

音が止まった

カチカチと日常茶飯事
当たり前にあった音

回っていた針
行く宛てもなく
同じ所へ辿り着く
カチカチカチ

おやまた会いましたね

声をかけてくる単身の男
もしくは長身の男

きっとまた巡り会うと旅立つ
また会う事を巡り会わせと言うのか
誰も解らない。
ただ、回る。


今は音も声も聞こえない
進んでいるかも判らない

冷たい風にさらされたからか
水が枯れたのか
解らない

けどきっと

音は無くとも

キャントコンタクト

どこにでもある石

形は全て違う

積み上げると塔になる

たった１個積み方を間違えると

そこから崩れてしまったりする


同じ形の塔にはならない

さて

貴方はどうしますか？

スクラップロボ

心にスイッチ。
涙のスイッチ。

使い回され消費され。

手に入ったら、
見向きもされない。

ただの、ただの消耗品。都合よく働けばそれでいい。


油の差し方も、
温め方も、
忙しければ忘れてしまう。

子供たちは動かし方を知らない。年代物の古ロボット。

今日も車庫の隅っこで、
泣き方解らず。
佇んでる。


スイッチに触れる時は。
そっと。
そっと。

乱暴に扱っちゃいけないよ。


そのロボットを壊したければ、
好きにしてもいいんだけどさ。

流れ者の詩

携帯をいじくり回す夜


繰り返し繰り返し

きっとそんな夜を経験する人は多いと思う

何かに追われ、何かに流されて


でもそれすら気付けずに

歩けないのに地上を跳回る魚


そこに水はないよ


水があっても流されるな


流されたと思ったら戻って来い


傷ついても自分で選んで泳ぎ続ければ

いつの間にか流れを自分で作っているのかもしれない


水を得た魚は強い
それを忘れるな
べいびー。